大家さんとお茶
大家さんのお家は家から歩いて1分半くらいのところにあります。
大家さんのお家に行く途中のお家には柴犬がいます。
その柴犬は人に撫でられるのが大好きで、ヒンヒン言いながら寝っころがってお腹を見せてきます。
撫でてやると、まるで極楽にいるような顔になり、少しでも離れる素振りをすると起き上がって飛びかかり、また撫でてやるとすぐお腹を見せてきます。
これは一体いつまで続くのかというくらい、そのやり取りが続きます。
心を鬼にして見切りをつけて、やっと大家さんのお家に行きます。
なので本当は1分半で行ける所に5分~10分かかります。
大家さんのお家には毎月家賃を持っていきます。
大家さんは本当にいい人で、行くと毎回お茶を出してくれます。
そのままなんとなく世間話がはじまります。
大家さんのお家や、近くにある畑には、たくさんの果物や野菜がなっています。
「うちの梅でつくった梅干しだよ」
「ぶどうがなったからもいで食べよう」
「うちの畑で取れた野菜だよ」
どれも本当に美味しいです。
外のテーブルで世間話をしながら雲を眺めて、「秋の雲だねぇ」と話しているうちにいつの間にか3時間くらいたっています。
帰りには、またお野菜など色々手土産を持たせてくれます。
毎月あるこの時間は、とっても贅沢な時間です。
そしてまた1分半で帰れるところを5分~10分かけて帰ります。
「すぐ帰ってくるからね」と言ったのに、帰りがいつも遅くなるので、ふじっこはなんとなくふてくされている気がします。
そしてめいいっぱい柴犬の香りと毛を連れて帰る事になるので、全身の毛を立てて「シャーッ」と威嚇してきます。
大家さんが、「来月になるとそろそろさつまいもが採れるから、芋掘りにおいで」と言ってくれたので、今からそれが楽しみです。
東京にいた時は、不動産屋さんに家賃を持っていって、ハンコをもらって、毎月毎月めんどうだなーとしか思わなかっのに。
田舎って最高だな。